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【ストーリー】
都市部から遠く離れた片田舎、奥木染(おくこぞめ)。
春日野 悠(かすがの はるか)は、妹の穹(そら)を連れてその町に向かっていた。
そこは幼少の頃の夏休みに何度も訪れ、ひと夏を過ごした祖父の家があり懐かしい場所であった。
不慮の事故により両親を亡くし拠り所を失ったふたりは、今は誰も住んでいない祖父の家に引っ越し、そこで暮らしていくことを決める。
不慣れな家事に悪戦苦闘し、普段から引きこもりでなにもできない穹の面倒を見ながら、悠は大変な毎日を過ごしていく。
そんな悠を、昔遊んでくれた近所のお姉さん・依媛 奈緒(よりひめ なお)や、転校初日からなにかと絡んでくる中里 亮平(なかざと りょうへい)、神社の巫女兼管理人をしている天女目 瑛(あまつめ あきら)、その友達の渚 一葉(みぎわ かずは)らが、温かく迎えてくれる。
小さい頃から、あまり変わってないように感じた町並みや人。
懐かしい想い出や、静かな環境が悠を癒していった。
そんな中、徐々に変化が訪れる。
幼少の頃交わしたふたりだけの秘密の約束とその後。
なくしてしまった大事な物の行方。
そして、この場所を選んだ本当の理由。
想い出として心に刻まれた時から、もう始まっていた未来。
今まで傷つき、不器用な行き方しかできなかった相手と、悠はどう向き合うのか。
日差しが強まる初夏の空の下、物語が動き始める。